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2018年9月10日 (月)

【名曲カタログ・57】Anytime

◆来日公演まであと31日◆

1996年の来日公演は、バンド初のボックス・セット「Sex America Cheap Trick」のリリース後、そしてニュー・アルバム「Cheap Trick」のリリースを2ヶ月後に控えた暮れの来日でした。

それまでのキャリアを総括し、代表曲、レア音源を収録した「Sex America Cheap Trick」のバージョンを反映させた珍しいアレンジでの演奏(World's Greatest Loverのエントリー参照)が聴けた一方で、各公演で新曲が4曲披露されました。パンキッシュな"Wrong All Along" "Shelter" "It All Comes Back To You"というバラード2曲。そして、アルバムのオープニングを飾ることになる"Anytime"

1996年の12月というとまだ一般にインターネットは浸透しておらず、新曲も事前情報が全くない(得られない)まっさらな状態で聴いたのですが、中でも度肝を抜かれたのがヘヴィな"Anytime"でした。

いや、度肝を抜かれたと書きましたが、実際はじわじわと曲の凄さを感じていったという方が正しいでしょう。この年、私は12/10、12/12、12/13と3回の五反田・簡易保険ホールでのライブを見ましたが、初日はそれまでのCheap Trickの楽曲にはなかった"Anytime"の荘厳さに圧倒されて、何だか分からないままに終わってしまいました。2日めにいや、これは凄い曲だぞ…と、音を少し冷静に受け止めることができるようになり、曲の細部までしっかり聴きとれた最終日には名曲であることを確信しました。

これぞバン・Eの真骨頂という、イントロのグルーヴ感のあるドラムに、緊張感のあるギター・フレーズが切り込み、サビでは重いギター・リフにのってロビンが絶唱。Cheap Trick史上最もアグレッシヴな曲の1曲です。1990年代に一時代を築いたNirvana、Pearl Jam、Stone Temple Pilotsといったオルタナティヴ、グランジ系のバンドが揃ってその影響を口にしたため、再評価が進んでいたCheap Trickが原点に返りつつも、同時にそういった新世代のバンドに刺激を受けたと思われるモダンなセンスも取り入れた、1990年代半ばの音楽シーンの空気感を反映したアルバム「Cheap Trick'97」を象徴する1曲といえるでしょう。





"Anytime"
作詞/作曲:リック・ニールセン、ロビン・ザンダー、トム・ピーターソン
プロデュース:Cheap Trick、イアン・テイラー

- 収録アルバム -
Cheap Trick(1997)

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