【名曲カタログ・19】Elo Kiddies
◆来日公演まであと131日◆
"Oh Candy"のエントリーで書いたように、1stアルバム「Cheap Trick」(1977)が1998年にリマスター再発された際、Side Oneの"Elo Kiddies"から始まる本来メンバーが意図した曲順に修正されました。
この"オーソライズド・バージョン"の「Cheap Trick」を初めて聴いた時は驚きました。10年間、何百回と聴きこんできた曲たちが全く違った表情をみせてくれるのですから。特に、1曲めの違いはとても大きいと感じました。かたや、Cheap Trickの楽曲の中でも特にアグレッシヴに激しく突っ走る"Hot Love" かたや、グラム・ロック的なグルーヴのあるリズム、荒々しいギター・リフが絡み合ったミディアム・テンポの"Elo Kiddies"
オリジナル・バージョンと、オーソライズド・バージョン。どちらも素晴らしく、甲乙つけ難いですが、聴きこむうち"Elo Kiddies"で始まるオーソライズドの方が<よりCheap Trickらしい>のではと思うようになってきました。
その理由は"Elo Kiddies"が、Cheap Trickが"Cheap Trick(安っぽい仕掛け)"たる独自性と魅力を詰め込んだ曲と思うからです。"ELO"は、ファンにはよく知られるように挨拶のHelloと、ロックバンドElectric Light Orchestraをかけたもの。
「Cheap Trickの曲は、一聴してインパクトがあるが、よく詩を読むと複数の意味が込められているんだ」とリック "Elo Kiddies"の歌詞の解釈も、メンバー間で違います。
「俺にとっては、核施設の狂人たちのことを歌った曲さ」というリックに対して、バーニーは「"Elo Kiddies"がお気に入りなのは、子供たちに『やりたい放題やって、楽しめ!』と言っている一方で『でも、覚えておけ。ちょっと大人になるってことは(二日酔いで)頭痛と胸やけで目を覚ますってことなんだ』と言っていることだ」と語っています。
バンドは2009年リリースの「The Latest」に収録されたSladeのカヴァー"When The Lights Are Out"で、"Elo Kiddies"のリズム・パターンの"元ネタ"を衒いなく披露。また、バーニーはニコラス・トレムリス(Nicholas Tremulis Orchestra)、ジョン・スティラット(Wilco)、リック・リゾー(Eleventh Dream Day)と組んだバンドCandy Golde(2011)のEPに収録したポール・サイモンのヒット曲のカヴァー"Boy In The Bubble"で"Elo Kiddies"のイントロのリズムを流用しています。
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"Elo Kiddies"
作詞/作曲:リック・ニールセン
プロデュース(オリジナル・スタジオ・バージョン):
ジャック・ダグラス
- 収録アルバム -
Cheap Trick(1977)
at Budokan: The Complete Concert(1998)
The Greatest Hits(1991)
The Essential Cheap Trick(2004)
他
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