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2012年3月23日 (金)

The Complete Epic Albums Collection

Epicalbums1

Epicalbums2



ソニー・ミュージックのカタログ部門"Legacy Recordings"からリリースされた、Cheap Trickのエピック在籍時のオリジナル・アルバム13枚をパッケージにしたボックス・セットがリリースされました。

「The Complete Epic Albums Collection」その名の通り、エピック・ソニー在籍時のオリジナル・アルバムを全て(「Budokan 2」は除く)パッケージした、集大成的なボックス・セットです。


結論からいいますと、このアイテム…マニア向けです


各CDは紙ジャケット仕様にはなっているものの、日本版の紙ジャケCDのようなLPを再現した立派なものでなく、ただCDを収納するポケットをつけただけの簡素なもの。「Original Album Classics」のそれの紙をやや厚くしたような感じですね。一応、「In Color」 「At Budokan:Complete Concert」 「Dream Police」の3枚は見開きジャケットになっていますが、正直愛の感じられない仕様です…画質もしょぼいですし。

「One On One」 「Standing On The Edge」 「The Doctor」 「Lap Of Luxury」 「Busted」の5枚は、このボックス・セットの為に新たにリマスターされています。「One On One」はいいですね~ オリジナルのラウドな音がよりクリアに奥行きをもって広がり、アグレッシヴでありながらポップというCTの美点がよく伝わってきます。このアルバムでのリックのギター・サウンドは最高ではないでしょうか。"If You Want My Love"のアレンジの見事さにも改めて感嘆。ロビンのヴォーカル・ワークの素晴らしさ。コーラス・ハーモニーとアコースティック/エレクトリック・ギターの重ね方。エコー、キーボード類の"味付け"の見事さ。CTとロイ・トーマス・ベイカーのコラボレーションが見事に結実した傑作ですね。

今回、これを書くにあたりアルバムを一通り聴いて、80年代のアルバム中最も新鮮に響いてきたのがこの「One On One」でした。「Lap Of Luxury」もリマスターでかなり良くなりましたね。曲毎に音質の差があって(特に"Never Had A Lot To Lose"は何故か録音がしょぼい)、通して聴くとアルバムとしてぎこちなさを感じたのが、スムースに聴けるようになりました。

さて、このボックスですが、目玉は紛うことなくこれまでダウンロード音源のみでリリースされていた「Next Position Please」の"authorized version"です

「Next Position Plese - authorized version」

1.Can't Take It
2.Borderline
3.I Don't Love Here Anymore
4.Next Position Please
5.Younger Girls.
6.Don't Make Our Love A Crime
7.3-D
8.You Talk Too Much
9.Y.O.Y.O.Y
10.Won't Take No For An Answer
11.Heaven's Falling
12.Invaders Of The Heart
13.Twisted Heart
14.Don't Hit Me With Love
15.You Say Jump
16.Dancing The Night Away

オリジナルの曲順を大幅に入れ替え、「Sex, America, Cheap Trick」に収録されていた"Twisted Heart" と、未発表曲"Don't Hit Me With Love"を追加収録。これは本当に待望といってよいリリースです。本来"ボーナス"であるべき"You Say Jump"と"Dancing The Night Away"(CTのメンバーもトッドも気にいらなかったレーベルが押しつけてきた曲)が、アルバムのラストに収まり、その前にCTとトッド・ラングレンの相性の良さがよく表れた緊張感のある"Twisted Heart"(「One On One」のレコーディング時に書かれた曲)とキャッチーなリフ、歌メロを備えたアッパーな"Don't Hit Me With Love"が並ぶ。

残念ながら"Don't Hit Me With Love"の音は明らかにマスタリングされていないので、アルバム本編として考えるのは難しいですが、"Twisted Heart"までが本編で、14~16曲めをボーナス・トラックとして考えると、ついに「Next Position Please」が文句なしの"名盤"と呼べるようになった気がします。

「Next Position Please」のauthorized version CD、早く単独でリリースされることを祈りましょう!

 

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コメント

こうしてCTの全アルバムを聴き返すと多様で
どこの組合員か解らない様な音楽性を持った不思議なバンドだな~と思います。
ジャンルで言うとパワーポップじゃ無くオルタナティブですかね?
でもオルタナとも異質な特徴も沢山持っています。基本的にCTはロックンロールバンドで
チャック・ベリー、プレスリー等、古い時代の音楽に対して深い理解と愛情があり、それを今でも表現し続けています。
残念ですがロックファンのCTに対する評価は低く薄っぺらいポップバンド位にしか思われてなくて残念におもいます。
しかし最近エアロスミスのジョー・ペリーが
NO,1ライブバンドは?と言う質問にCTだと
即答していたのを聞いて、ロックファンと
同業者の温度差を皆さんに知ってもらいたいと言う気持ちでいっぱいです。
最近は1stアルバムばかり聴いています。
今でも新鮮だ~。ロック史に残る名盤だとおもいます。

投稿: 関羽 | 2012年3月23日 (金) 18時55分

NEXT…聴いてみたいです。
突然ですがこのサイトをウチのサイトにリンクしても良いですか?

投稿: sugi | 2012年3月23日 (金) 20時57分

>関羽さん
仰るように、CTの音楽はクラシックなロックンロールの影響を色濃く持ちつつも、非常に幅広い音楽性を持っていますよね。しかし、どちらの方向に傾いても常にキャッチーで親しみやすいメロディを備えているのが素晴らしいと思います。1stアルバムはオルタナティヴの元祖といってもよいのではないでしょうか?

CTに対する、一般的な低評価が私がこのサイトを続けているモチベーションのひとつでもあります…もっと多くの人に聴いてもらいたいです

>sugiさん
リンク、問題ありません。宜しくお願いします。私も貼らせて頂きます。少々お時間下さいね

投稿: Kyota@管理人 | 2012年3月24日 (土) 08時28分

リンクさせて頂きました!
有難う御座います!

投稿: sugi | 2012年3月24日 (土) 19時54分

CTのアメリカでの業界や同業者の評価は絶大でAEROSMITHやKISSと同様の評価を得ていると個人的に思います。
今挙げた2バンドはスタジアムやアリーナでいまだにコンサートが行えるのに対し、CTは何故小規模の会場でしか活動ができないのか?
AEROSMITHは70年代の英国然とした音で人気を博し、低迷期を経て時流に迎合した外部のソングライターの導入や当時人気のあったMOTLEY CRUE,GNR,BON JOVIに張り合うかのようにサウンドを若返らせて良くも悪くもアメリカ然としたビッグサウンドに変化させていくことによって、米国の若者はAEROSMITHは米国最高のバンドと評価されているように感じます。
KISSはCTと同様にポップな音楽性ではあるがビジュアル的にインパクトが強く、ハードロック、ヘビーメタル的な評価を得ているので前者と同様に若者からの評価も絶大だと思います。
では何故CTは評価が高くても前2者と違うのか?単純に言うとハード・ポップバンドぐらいにしか思われていないからだと思います。米国の若者はロックを聴くときはハードな音を聴きたいんだと思う。そういう意味ではCTの音はややソフトというか中途半端な印象を与えているのではないか?CTの持つポップ性は大きな魅力ではあると思うが皆CTを誤解しています。前2者とはタイプが違うがハードなロックバンドだと個人的に思っています。でも米国の若者はそう思っていないので中途半端な印象しか抱いておらず、結果、過去のバンドとさえ思われているように...そう思われるCT側にも原因はあると思います。この手のバンドにしたらポップなアルバムをつくりすぎるというか、器用すぎるからサウンドに統一感がないから散漫な印象しか与えていないのではないか?まあ、それこそがCTの魅力だとも思うが...だからライヴでどれだけ熱い演奏をしても、どれが本当のCTの姿なのか?ポップバンドなのか?ハード・ロックバンドなのか?掴みどころのない多様性が全2者との決定的な差なのではないか?
愛しているバンドは数え切れないほどあるが、CT程愛着のあるバンドはないので、CTの現在の立場に非常に疑問に感じるし、不満も感じます。
AEROSMITHとのツアーはこれまで何度もあるけど、何故前座なの?本来ならどちらも実力も実績も同等なんだからダブルヘッドライナーでしょ?JOURNEYやHEARTの前座も納得がいかないし...
米国の若者によく耳の穴をかっぽじってCTのアルバムをよく聴けといいたい。ポップバンドではないという事実がよくわかると思うんだけど。

投稿: しげしげ | 2012年3月24日 (土) 22時28分

>しげしげさん
ファンとしての思い、語って頂いてどうも有難うございますm(_ _)m 私もほとんど同意見なのですが、ひとつ付け加えると、CTの音楽性はアメリカ人にとってはブリティッシュ過ぎて、イギリス人にとってはアメリカン過ぎるのではないかと思うんです。

今、「All Shook Up」を聴きながらこれを書いているのですが、ジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えたら思い切りBeatlesっぽくなるかと思いきや全然で(笑) 確かにメロディ、ストリングスを配したアレンジにはイギリス的な叙情味もあるのですが、全体的には乾いたアグレッシヴなギター・サウンドがフィーチュアされて、アメリカンともブリティッシュともつかない音楽性になっていますよね。

「Lap Of Luxury」で、レコード会社が介入して音楽性を変える為に推し進めた策はいわば"産業ロック化"だったわけですが、この"産業ロック"はいってみればイコール"純アメリカン・ロック"だったのですね。エピックにとっては、CTは"オルタナティヴ・ロック"であって欲しくなかったと…

丁度しげしげさんからHeartの名前が出ましたが、CTはAerosmithより、音楽性の変遷はHeartに通じるところが多い気がします。個人的には、Aerosmithも好きですが、Heartとのダブル・ヘッドライナーの方が見たいかな

投稿: Kyota@管理人 | 2012年3月24日 (土) 23時48分

このコレクションってどのように手にいれるのですか?
おいくらでしたか?
すいません、情報不足なんで教えてくださいm(_ _)m

投稿: みー | 2012年4月 1日 (日) 09時12分

>みーさん
私は、他のサイトより早く出品されていたのと、値段が安かったのがありebayで探して新品を入手しました。日本円で12000円ちょっとでしたよ。現品確かめた方がいいかもしれませんから、今度会う時持っていきましょうか?

投稿: Kyota@管理人 | 2012年4月 1日 (日) 23時56分

安くて12000円ですか?!
貧乏人は躊躇してしまいますが、未収録曲とか別バージョンとか聞くと欲しくなっちゃいますね…
今度見せてくださいm(_ _)m

投稿: みー | 2012年4月 8日 (日) 10時12分

>みーさん
そうなんですよ。確かにNext Position Pleaseのオーソライズド・バージョンは魅力ですし、他のアルバムもリマスターされていて音はよいですが、それにしたって既にアルバム揃えているファンにとっては考えちゃう内容ですよね。今度会う機会があったら持参者しますね

投稿: Kyota@管理人 | 2012年4月 8日 (日) 22時03分

×持参者→○持参 失礼しました

投稿: Kyota@管理人 | 2012年4月 8日 (日) 23時05分

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